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 康介のお腹の中に俺の子供がいる前提で話をしたからこそ短期間で説得が済んだ。  それは間違いない。    口にした時点で事実とは違っていても嘘にする気はないので罪悪感は持っていない。  全面的に下鴨木鳴の両家が援助してくれているので生活の心配はまるでない。  問題がなさすぎるのが不安になるほどに結婚までスムーズに済んだ。    下鴨にとって常識よりも家の存続が最も重要であり康介にもそう言い聞かせていたらしい。  その結果として貞操観念や倫理観がおかしくなったようだが、康介の両親いわく康介は下鴨でも例外的なので不安があったという。  俺の子供を作るという宣言は逆に俺以外と子供を作らないという意味にもなりえる。  下鴨家として俺の協力がないと困った事態になると頭を悩ませていたらしい。    そうなると久道を誘ったのはやっぱり俺に対する罠だったのだ。  俺の中にあった衝動は未だに名前を付けられないが無視できない。  康介が俺以外の誰かを受け入れたり求めることはあってはならない。  仮に本気で久道の子を産むと決めていたとしても初志貫徹させてやったのだから康介に文句を言われる筋合いはない。  さきに外堀を埋めたことで康介の身動きをとれなくさせた。  俺に対してくだらない文句はいくらでも口にするのに両親を前にすると借りてきた猫のように静かだ。  それだけはちょっとだけ意外だった。  この俺の行動は仲間内でえげつないという評価をもらったが気にしてはいられない。  バカを放置したらバカげた展開にしかならない。

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