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次男出産前の離婚届よこせ事件があったので何か起こる気はしていた。
バカは放置するとロクなことにならない。
わかっていたので俺は俺で手を打ち続けている。
次男が順調に育ち、しばらくすると康介は黙り込むことが多くなった。
康介は基本的に騒がしいので妊娠している時と考え事をしている時が分かりやすい。
何か言ってくるのを待っていたら康介は失踪した。
バカの行動はいつでも同じだ。
どこにも行けないのにどこかに行こうとする。
俺に何も言わずにバカバカしい道を選ぼうとする。
康介はいつでも考えが足りない。
失踪といっても康介の携帯電話の位置情報は俺が握っているので完全に行方知らずというわけじゃない。
逃亡先である久道に「オレは失踪したことにして」とわけのわからないことを康介は頼んでいた。どうかしている。
失踪理由は腹の中だ。
そんなことだろうと思った。
俺は離婚届を欲しがるような康介に説教をしてやりたかったが、バカは拗ねているのか聞こうとしない。
だから分かりやすい形として第三子を仕込んだのだが康介は混乱していた。
久道のもとを訪れた理由が「失踪」なんていうアホみたいな話ではなく女の子を妊娠したとおめでたいことを報告しているだけならいい。
だが、康介は違う。お腹の子が女の子だと知られると俺に殺されるという被害妄想を抱いたらしい。
どこの時代の男尊女卑文化なのか正座をさせて聞き出したいがバカの思考は理解できないだろう。深い追求せず、家に連れて帰った。
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