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康介の考えがおかしいのは今に始まったことじゃない。
以前に嫌になるほど俺をつけまわしてきたというのに今では目を離すと失踪したがる。
頭のねじでも抜けたのか、康介は異常だ。
とはいえ、康介が俺から離れるなんて認めるわけがないのでいろいろと考えていかなければいけない。
子供がいるので先送りに出来ない問題として仕事の話になる。
俺の仕事の選択肢は狭い。
年齢的なものじゃない。
仕事が忙しいとほぼ確実に康介が浮気をする。
その可能性を潰すために時間が自由に使える職種でないとならない。
公務員のように定時で帰る仕事だと逆に俺がいない時間帯を康介に学習させてしまう。
それは避けたいとなると選択はシビアだ。
考えていくと希望の職種形態はなくもない。
会社を立ち上げる資金も人手もなくもない。
となればあとは目標に向けて頑張るだけだ。
必要になる資格などは学生の間にとることにした。
だが、勉強にばかり集中すると康介から目を離すことになる。
バカげた行動をしそうなので頭が痛い。
長女がお腹の中にいると知った直後に謎の失踪を企てていた。
穴だらけで計画性が皆無にもかかわらず思いつきで行動するのが康介だった。
おとなしく家にいればいいのに危なっかしい。
バカにバカをさせないために悩みは多かったが長男、次男の時とは違い長女である弘子を妊娠したことで康介は体調を崩した。
これが良かったと思っている俺を久道や仲間たちは非人道的なんて言うが事実だ。
バカが動けない間に会社を作る準備を進められた。
康介は家の中で俺が電話をしているとあからさまに機嫌が悪くなるので段取りを間違ったり緊急事態で俺の判断が必要な時に困るのだ。
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