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第6話
同じフロアにある会議室へ着くなり、外から見えないようガラス張りの壁に天嶺は手際良くブラインドを降ろした。
「それで壬生部長、お話しとは何でしょうか」
公私混同しないよう一上司として俺は天嶺と接する。
「紅羽、逢いたかった」
下の名前で呼び俺を強く抱き締める天嶺に、俺はこの呼び出しが仕事上ではないことを悟る。
「何すんだよ!俺はこれから外周りなんだって!!」
外へ聞こえないよう小さく声を荒らげる俺を無視し、天嶺の唇が俺の唇へと重なった。隙間から侵入してくる天嶺の舌が俺の歯列を丁寧になぞり、やがて俺の舌へと絡んだ。ピチャピチャという水音を室内にわざと響かせるようにキスする天嶺は、いつもより様子がおかしい。
家を出るまではいつも通りだったはずだったが。
「ごめ、紅羽のこと考えたらこんなになっちゃって……」
ダークグレーのスラックスの合わせからでも分かる程に猛った天嶺の昂り。布越しに俺のモノへ擦り付けようと密着する。
「触って、くれる?」
嫉妬深く俺を支配しようとした昨日の天嶺では無かった。俺を酷く溺愛するいつもの優しい天嶺がそこにいた。
だが職場で、ましてや始業間もない時間にこうして呼び出されるのは初めてで酷く困惑した。
「天嶺、仕事中はこういうこと しないって約束じゃなかったか?……まさか呼び出しって人事のことじゃないのかよ」
「ゴメン……職権濫用だよな。今すぐ紅羽が欲しくなったんだ」
手早く天嶺は自身のベルトのバックルを外すと、黒のボクサーパンツからその切っ先が溢れ落ちる程既に雄々しく成長を遂げていた昂りを見せ付けた。
「舐めて」
いつだって御奉仕するのは天嶺からだ。珍しく天嶺から俺に舐めることを強要するなんて、一体この男に何が起きたのだろうか。余程昨日の合コンに参加したのが嫌だったのだろうか。
否、合コンだったら今までにも数え切れない程付き合いで行っていたはずだ。
何故今更……。
戸惑いを感じつつ目の前の男に視線を向けると、いつものように何を考えているか分からない美貌の顔がそこにはあった。
睫毛長っ……
瞳も綺麗な色してる……
整いすぎている甘いマスクから発せられる天嶺の言葉は、たとえ暴君のような内容だとしても不思議と受け入れようとしてしまう。
「さぁ、舐めて。俺のミルクを全部飲んで」
甘く囁く天嶺に、俺は傅くようにその場へと膝をついた。
躊躇する俺の手を天嶺は自身の熱雄へと導き、有無を言わさない迫力ある視線で俺に指示を出す。
恐る恐る黒の布越しから天嶺自身を形取るように触れていくと、既に雄々しすぎる昂りは更に逞しく成長していった。
布から顔を出していた獰猛すぎる柘榴色の充血した切っ先は、俺に触れられたことを悦んだかの如く透明の蜜を垂らして震えていた。
思わずパブロフの犬のように喉が鳴るのを必死で抑えながら、俺は隠れた秘部を露にする為黒い布地へと慎重に手を掛けた。
やがて眼前に聳え立つ形の良い天嶺の熱雄は、血管がくっきりと浮かび上がっており口に含むことを一瞬躊躇してしまう程の存在感があった。
あぁ、これがいつも俺の内を支配している大きな昂り――。
俺が女だったら今頃、コイツの子を沢山孕んでたかもな。
意を決したように天嶺の双珠を口に含むと俺はキャンディを舐めるように口腔内で転がし始めた。改めて天嶺が女と別れて良かった、そう思ったがバッドエンドの呪縛が完全に解けきれていない俺は快感で顔を歪める天嶺を見上げながら少しだけ胸騒ぎを感じていたのだった。
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