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第5話

「高倉様、いかがでしたか?」  ひくひくとイッた衝撃に震えていると、財前が俺の頬を撫でながら言った。 「あ、ひんっ……気持ちかった、です」 「それはよかった。では、ご入会されますか?」 「にゅう、かい?」 「ええ。当クラブは会員制となっておりまして、会員様は当クラブのスタッフ、または飼育人の会員様に飼育調教されることになります」  財前が俺を縛っていた縄を外しながら言った。 「ここは、SMクラブとは違うんですか?」 「体験の前に申し上げたとおり、SMクラブと似たような側面は持ちますが、当クラブは会員様に飼育調教を受けていただく店となっております」 「飼育?」 「はい。会員様はただSMプレイを受けていただくわけではなく、日常生活を送りつつ、当クラブのスタッフ、会員で構成された飼育人による飼育調教を受けていただきます。当クラブでは飼育される側である会員様の人権はございません」 「その、飼育って、何をするんですか?」 「飼育の内容については、飼育人によって飼育方針も違います。中にはアナルの拡張を得意とする飼育人や、全身にピアスやタトゥーを施すことを好む飼育人もいます。飼育人は基本的に固定ですが、チェンジは可能です。入会をご検討いただけるのであれば、後ほど飼育人の一覧をお持ちいたしますよ」  検討したいと財前に伝えると、財前はバスローブを持ってきた。  とりあえずそちらに着替えて話をしましょうと言われ、俺はローションと体液で汚れた体のままバスローブを羽織る。  プレイをした部屋を出て、最初に通された部屋へ通された。  カタログのような飼育人一覧表を渡される。 「ゆっくり、ご覧になってください」  飼育人の顔写真と全体の写真。そして飼育方針が書かれたそれを読み進めていく。  名前の横にスタッフ、会員と記載があり、そこで区別できるようだ。また会員の飼育人は顔が隠されている。  でもスタッフの飼育人の中に、財前の名前はなかった。  とても興奮したし、気持ちいい。オナニーとは段違いだ。  でも、お試しでも拒否権は無いと言われた。全ての人権を渡し飼育されるのは、少し怖い。 「本日ご入会いただかなくても、後日こちらの名刺をお持ちいただければ大丈夫ですよ」  俺の不安を読み取ったのか、財前は名刺を差し出してきた。  店のロゴが赤く印字された黒い名刺だ。店名は記載されていない。  あとは白抜きの文字で『オーナー 財前 正臣』とだけ記載されている。 「ありがとうございます」 「いつ来ていただいても構いません。またのお越しをお待ちしております」 ※

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