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第7話

 プレイルームは前回と同じ部屋で、また簡素なパイプベッドに仰向けの状態で横になるよう指示された。  頭上でまず腕を縛られ、またM字開脚の姿勢で足を縛られる。  前回と少し違うのは、腰に枕を敷かれていることと、M字開脚のまま、ベッドに固定されていることだろうか。  肌に縄が喰い込む感覚が痛いけれど、興奮する。まるで試合中に打撃を喰らった時のようだ。 「こんなに先走りも垂らして、はしたない」  痛みに興奮してしまった俺は、先端から先走りを垂らしていた。ひくひくと震える先端から滲み出る先走りを財前が指ですくい、俺の頬に擦りつける。 「このディルド、覚えてますか?」  正臣が箱の中から取り出したディルドを見せてくる。 「それ……」  はじめてここで入れられたピンク色のディルドだ。 「またこれを入れます」  正臣が指にローションを垂らすと、窄まったそこを縦に撫で、容赦なく突き入れてくる。  鼻に抜ける様な息が漏れた。それを気にも留めず、正臣はくちゅくちゅと指を中で動かした。 「以前より柔らかいですね。ここが気に入りましたか?」 「そんなこと」 「正直に。ここをひとりで弄った?」 「ゆ、指で……弄ってました」 「何本、入れた?」 「二本、です」 「じゃあ、これもすぐに入るね」  そう言うと正臣は指を引き抜いて俺の尻孔に直接ローションを垂らした。  垂れたローションをピンク色のディルドに擦り付け、俺のからだはそのディルドに貫かれ、果てた。 「う、うぅああっ! あ……うそ、なんで」 「もうお尻だけでイケたんだね。えらいよ、カイ」  そう言われると、ディルドは正臣の手でゆっくりと引き抜かれた。 「では、次はこれを入れるよ」  次に箱から取り出されたのは、さっきまで入れられていたピンク色のディルドより太い、ボコボコと歪んだディルドだった。 「そ、そんなの無理です、入りません!」 「そう。仕方がない。では、これにしようか」  首を振ってそのディルドを拒絶すると、正臣はそれを仕舞い、代わりに陶器でできた小さな入れ物を見せてくる。  正臣はゴム手袋をつけると、その中に入っている軟膏のようなものをすくう。 「それ、なに……?」 「さあ、なんだろうね」  軟膏がまとったゴム手袋をつけた正臣の指が中へ入っていく。  さっきまで入っていたディルドで柔らかくなっているのか、その指はなんの抵抗もなく入っていった。正臣の指がくるりと中を一周するとすぐに出ていく。  一度だけ使ったことがある皮膚塗るタイプの麻酔かなにかだろうか。そんなことを思っていた瞬間だった。  尻の穴にイガイガとするような違和感がする。 「え、正臣さん、これ、なに?」  正臣は何も言わず、俺を見ているだけだ。 「え……あ、ああ、か、ゆい……痒い!」  山芋をすり下ろした時のような痒みだ。  少しでも痒みをやり過ごそうと尻を動かすが、M字に開脚し固定された状態ではなんの助けにもならない。 「ま、まさおみさ……お願いします、お尻を、中を掻き回して! 何でもいい! 入れてください! ひっ、いぃ! かゆ、痒いんです!」  正臣は俺の懇願を笑いながら見ている。 「じゃあこれで掻き回してあげようか」  小指よりもっと細い棒を、見せつけるように舐めている。  痒みの酷い俺の尻孔にあてがわれた棒が、つるりと中へ入り込む。つるつると出たり入ったりを繰り返しているが、なんの刺激の足しにもならなかった。むしろ痒みが助長されるような感覚に狂いそうになる。 「あ、ああ……たりな、足りないぃ! もっと、もっとゴリゴリして、掻いて、掻けよぉ! ひっいぃ!」 「では、これを入れますよ?」  さっき俺が拒否した、ボコボコと歪んだディルドだった。  ああ、これは俺に対する仕置きなんだ。飼育人に、正臣に逆らったから、その仕置きを受けているんだ。 「賢い子は好きですよ」  顔に出ていたのか、正臣が笑ってそう言った。  頭の上で縛られていた手をゆっくり下ろされると、正臣は歪んだ極太のディルドを俺の手に持たせる。 「このディルド、自分の手で入れて。厭らしく入っていくところを私に見せるんだ」 「そんな、自分でなんて、入れられない……」 「入らないわけがない。ナカ、痒いんだろう? それで思う存分、中を掻き回せばいい。それに、よく見て? これより少し大きいくらいだ」  ほら、と最初に中を占領していたピンク色のディルドを顔に押しつけられる。  確かに、今手にしているディルドは、形が歪んでいるだけで、ピンクのそれより少し大きいくらいだ。  ゴクン、と喉が鳴る。  正臣はにこりと笑うと、肌色のディルドの先にローションを垂らした。ぬめったディルドが照明に当たりキラキラと光る。  ローションがディルドを握っている俺の手に垂れてきた。正臣はローションを注ぎ足すように、またディルドの先端に垂らした。  ぬるついたディルドは手から滑り落ちそうだ。それを落とさないように、ピタリと後ろの入り口へあてがう。  ちょっと力を入れると、ディルドはローションの滑りを借りて簡単に中へ入っていった。 「はぁ……あ、ンぐゥッ!」  俺は痒みを鎮めるように、夢中で手を動かした。ぐちゅぐちゅとナカを掻き回すと、ディルドの形状のせいか中に空気が入り、時折ひどい音を立てる。  それでも手を止めることはできなかった。 「あ、ああ! きもちい、あっナカ、イイ!」  ひとしきり出し入れを繰り返していると、少しずつ痒みが治まってくる。  トン、と奥のもう入りきらないところへ突き入れたところで手を止めた。 「すごい、あんなに嫌がってたのに。ずっぽりじゃない」  正臣がディルドの大きさに広がっているであろう入り口をつるりと撫でた。 「でもまだ全部入ってないな」 「あ……も、入んない」 「入るよ。ほら、結腸まで……ほら、ほら」 「ひ、ぐぅああぁぁああ!!」  痛みとともに、閉じていた何かを開かれるような感覚が襲ってきた。 「い、だい……痛いっ!」 「カイ、力を抜いて……息を吸って、吐いて……見てごらん、全部入った」 「ひ、ううぅ~っ、痛い、ナカもう、むりぃ……」 「カイ。その痛みは、快楽になるよ」 「な、んで……ひぐっ!」 「私がお前を調教するんだから」  そうして、俺は正臣にからだを飼育されることになった。

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