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第11話

 地図を頼りに自転車を走らせた先は、単身者向けのマンションだった。  駐輪スペースに自転車を停めて、メッセージアプリを起動させる。『着きました』そうメッセージを送れば『302号室』と返事が来る。  エントランスのオートロックに部屋番号を入力して呼出ボタンを押すと『はい』とスピーカーを通した歪んだ声が響いた。 「あの、高倉です」 『どうぞ。三階に上がってすぐの部屋です』  オートロック式の自動ドアが開き、中へ進む。まだ新しいのか新築のにおいがする通路を通り、その先にあるエレベーターへ乗り込んだ。  一瞬の浮遊感とともに三階へ運ばれる。エレベーターを降りたすぐに、正臣の家であろう302号室はあった。  玄関前のインターホンを押すと、足音のあとに玄関の鍵が開く音がする。室内の明かりとともに正臣が出てきた。 「こ、こんばんは」 「いらっしゃい。入って」  いつもはスーツの正臣が、ラフな格好で出てきた。  Tシャツに下は三本ラインの入ったジャージ。 「お邪魔します」  2DKの室内は俺の家とは違って、モノトーンに統一されたおしゃれな部屋だった。 「シャワー、浴びておいで。出て右側の扉で、そこにトイレもあるから」  正臣がタオルを渡して言った。大人しくそれに従ってシャワーを浴びる。  シャワーを浴び終えると、着替えがないことに気付いたが、取りあえず体を拭いて、そのタオルを腰に巻き付けて風呂場を出た。 「上がりました」 「そう。こっちにおいで」  手を引かれると腰に巻いていたタオルが床に落ちた。  それを伝えると「もういらないよ」と言われる。  そのまま寝室に連れて行かれると、正臣も着ていた部屋着を脱ぎ始めた。  普段スーツで気が付かなかったが、無駄のない締まったからだだ。 「今度、ちゃんと揃えておくので……今夜はこれで我慢してください」  俺をベッドに仰向けに寝かせると、そう言いながら乳首を撫でてくる。  俺の乳首は正臣に撫でられただけでぷくりと立ち上がるようになっていた。  正臣がローションを指に垂らす。ひんやりとした感覚とともに、濡れた正臣の指が窄まった俺の中へ入り込む。 「いつもの太いディルドと違って物足りないかもしれないが」  正臣の中指がピンポイントで気持ちのいいところを刺激してくる。 「あ……ああっ」  正臣が指を動かす度に、尻の穴から卑猥な水音が響く。 「ここが、カイの気持ちいところ」 「あっあっ……ああっ!」 「カイのここ。もうりっぱなケツマンコだ。カイ、言って」 「あひ、け、けつまんこ……」 「そこが? どうなんだ?」 「ケツマンコ、きもちいい! 俺の、ケツマンコ! 正臣さんにぐちゅぐちゅされて、気持ちいい……!」 「うん、もっと気持ちよくなろうね」  正臣がそういうと唇を寄せてきた。舌が触れ、絡み合う。  気持ちよさに目眩がする。  ぞくりと腰が震え、どろりと果てた。  ぷちゅ、っと指が引き抜かれ、そのまま抱き寄せられる。 「おやすみ、カイ。また明日」  その言葉に誘われるままに、眠りに落ちた。

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