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第5話
シュル、と衣擦れの音が響く。
家人がいなくなったこの屋敷で、二人は抱き合っている。
栄之進が背中に手をやり、支えるだけで悠之介の身体が反応した。
いつも見ていた手が優しく身体を支え、触れてくる。
さっきまで聴こえていた鳥の囀りはもう二人の耳に入らない。
「あ…」
敏感なところを弄られ、思わず声が漏れる。
栄之進が手にして大きくなった悠之介のソレをそっと口に含んだ。
「やっ…やめ…」
ゾクっと肩を震わせる悠之介を、栄之進は容赦なく追い詰めて行く。
「えい…、も…だめ…」
果てそうになり悠之介が大きく頭を左右に振る。
そんな悠之介の様子を愛おしそうに見つめながら、なおも舌で唇で攻める。
「あ…アアアッ…!!」
大きく仰け反り、悠之介は果てる。
なぜ純粋に愛し合っている二人が結ばれないのだろうか
家を継ぐためだけの生活は続いて行くのに
今生で結ばれない愛であるのなら
来世では必ず巡り会いお前と一生を過ごしたい
そんな言葉を二人は語り合いながら抱き合っていた
「たとえ一回きりでも…、忘れないから…っ」
栄之進に抱きつきながら耳元で悠之介はそう囁いた。
「…俺も、だ…。じっとしてろ」
栄之進は呟く。
自らも余裕がなくなってきて栄之進はゆっくりと悠之介の
ナカに潜らせた。
「〜〜っつ!!」
思わず栄之進の肩に噛み付く悠之介。
「大丈夫、か?」
「…大丈夫…じゃないけど…栄さん…栄之助を感じてたいんだ」
辛そうな顔をしながら、言葉を紡ぐ。
「動かす、ぞ」
「うん…っ」
言いようのない圧迫感と痛みが徐々に快楽となってゆく。
一度きりの交わり。
まるで獣の様に求め合う。
「う…ああ…ッ…、あッ…!」
「悠之介…ッ」
しっかりとしがみ付きお互いの体温を確かめるかの様に抱き合う。
悠之介の頰に涙が伝う。
「もう…限界…ッツ」
そうどちらからともなく漏らした声に、大きく栄之進が悠之介の躰を突いた。
「ああああッ!!」
庭の大木からザザザ、と風の音がしてあたりの葉を散らした。
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