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第11話

「もっと顔を見せて」 北川は乱れた彰光の髪をかきあげながら、愛おしそうに撫でる。 組み敷かれた形になった彰光はジッと北川の顔を見た。 「…店でやっても、大丈夫…、なの?」 上擦る声で彰光が問うと北川はふと笑って彰光の細い首筋を舐め上げた。 「ッ…」 「大丈夫だよ。それに…家まで堪え切れない」 右手でシャツをたくし上げると首筋から乳首までを舐める。 「…何で、さ、よりによってまた同性なんだろうね…」 ぴくっと身体を反応させながら彰光が呟く。 男女に生まれ変わればもっとすんなりと恋愛が出来るのに。 「お前が女だったらとっくに誰かに盗られてたさ」 左手で大きくなっている彰光のそれをぎゅっと捕まえた。 堪らず彰光は声を出す。 「んんっ…、は…ッ」 声を上げながらも、彰光は北川の顔を撫でながらこう言った。 「それでも、あの時代に比べたら…っ、今は一緒に居られるよ…ね」 あの時代にも男色はあったけれど自由ではなかった。 それに比べて今のこの世界は何と幸せなことか。 「側にいても…いい?」 ほおを高揚させながら、彰光は北川に聞く。 その様子に北川はますます愛おしくなり口を重ねた。 「あの時誓ったじゃないか」 そう微笑むと彰光の頭をポンポンと叩く。 《来世では必ず巡り会いお前と一生を過ごしたい》 その誓いがいま、叶う 「悠之介…ッ」 キツそうな北川の顔を見て彰光は耳元で囁いた。 「イイよ、栄之進…、ナカに入って」 その声にゾクリと反応する。 「お前ッ…、どこでそんなこと、習った」 「うあっ!」 いきなり奥まで突いてきた北川に彰光の身体は反射的に仰け反った。 余裕なくがっつく北川に彰光は満足そうに微笑みながらも、自分もまた余裕をなくしていく。 「あっ、ああっ…!…ああああッッ!」 二人は固く手を繋ぎ、そのまま頂点に達した。

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