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俺、飼い主と手を繋ぐ。

砂利道を歩き、緩い丘を登れば、俺の両親が眠る場所にたどり着く。 両手で抱えた花束を添え、アニキと一緒に手を合わせると、好きだった母親と話す時間をアニキがくれた。 胡座をかいて、二人がいなくなった後の事を話し始め、どれ程時間が経過したかはわからないけど、終わった頃には、隣に吉野さんが座っていて、俺の顔を心配そうに覗き込んで優しい声で尋ねる。 「大丈夫?」 「大丈夫です。帰りますか?」 尻についた砂を払い、じゃねと両親に手を振り別れを告げると登った丘を下っていく。 お互い何も話すことなく、砂利が擦れる音だけがやけに煩く、何かを言わなきゃと言葉を探していると、ふわりと指先に温もりを感じた。 その温もりは、何も言えず俺の隣で歩いていた吉野さんのもので、道が悪いからと繋いだ手と同じ柔らかい笑みを浮かべ、その一瞬で今まで我慢していた俺の涙腺は崩壊した。 母さん、俺は今最高に幸せです! ※Twitterのお題「繋いだ手から伝わる体温」

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