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ケモノの湯浴み3

「ん……んんんっ、……んぅ……」 巧みに舌を絡めとられ、下唇を甘噛みされ、小刻みに舐められる。戸惑い、強ばっていた身体がずくり、ずくりと切なく熱く、痺れだす。力が抜けていく……。 「……ッ、ダメ! ダメダメダメ!」 俺はありったけの力で朔ちゃんの毛深い胸板を押し、濃厚な口づけから何とか逃れた。唾液が糸のように伸び、ぷつりと切れる。 朔ちゃんは驚き半分、不機嫌半分といった表情だった。そんな彼をキッと睨んで、ぬらぬらとする口元を濡れた手の甲で乱雑に拭う。そして、ざばざばと荒々しい波音をさせながら距離を取った。 「おい、何で逃げんだよ」 「いや、いやいやいや……」 逃げるだろ、普通。……頭が痛みだした。こめかみを押さえながらかぶりを振っていると、瞬く間に距離を詰められ、腰をがしっと掴まれてしまう。 「ヤるぞ、馨」 「無理、却下」 「はぁ? 露天風呂でセックスすんの、浪漫とエロスが詰まってていいじゃねーか」 「理解不能」 ますます頭が痛くなる。じゃばじゃばと水しぶきを上げながら力の限り抵抗するも、日頃からジムに通って身体を鍛え、週末には所属する社会人バスケットボールチームの試合にスタメン出場している朔ちゃんと、「大」が千個はつくぐらいの運動嫌いでインドア派な俺とでは、力の差は歴然だった。 ぐるりと背後から羽交い締めにされ、乳首を摘まれる。ビリビリッと、淡く焦れるような感覚がそこから広がっていく。「ひゃっ」と高い声がまろび出て、肩が脱臼せんとばかりと飛びあがった。 「ほら、感じて声出てんじゃねーか」 「いっ、今のは不意打ちで……」 「乳首、弄られるの好きだもんな。馨ちゃんは」 ニタニタ、ニタニタと笑っているに違いないであろう声色で囁かれながら、尖りをコリコリと捏ねられ、例の感覚が全身に流れる。俺は息を乱し、千切れた声をあげ、身をくねらせた。

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