それは、朔ちゃんの指だった。ずぶずぶと無遠慮に、ナカに埋められていく。いつも味わっている異物感と圧迫感ではあるが、あまりにも突然だったため、身体も心もびっくりし、ガチガチに硬直する。 「あ、あ、っ……！」 「おい、力抜けよ」 朔ちゃんは俺の顔を覗き込んで言った。欲情しきった顔で、目を炯々と光らせ、蒸れた吐息を頬に吹きかけてくる。 「言っとくけど、お前が煽ったんだからな。泣こうが喚こうが、絶対にやめねーから」 「ひ……っ、アッ……やぁ……！」 ２本の指で直腸内を弄られる。ぐにぐに、と拡げられ、擦られ、ぐちゅぐちゅと抽挿される。その刺激に耐えようと唇を噛み、声を殺そうとするも、それを許すまいとばかりに敏感な場所を指の腹で責められ、口がだらりと開いてしまう。 「そ、そこ……っ、ダメ、感じちゃう……！」 「知ってる。気持ちよくて、泣きそうになるんだろ？」 「ううっ……はぁ、ン……あっ、ぁっ……」 いけないと思っているのに、声が出てしまう。この声がどこまで響いているのか、隣室の人が露天風呂に入っていないだろうか、ひょっとして部屋の中にいても聞こえているのだろうか……などと、非常に気が気でないのに。 昔の恋人や朔ちゃんによって開発され、ただの排泄器官でなくなったそこは、朔ちゃんの節くれだった指を美味しそうに食んでいた。 自分の身体のことだからよく分かる。 気持ちが伴わずとも、すっかりぐずぐずに興奮し、貪欲になっていた。 「……もう、いいよな」 「は……んぁ……、ッ……」 指がナカから抜け出ていく。ほぼ同時に、熱くて太いモノが解された入り口に宛てがわれ、間髪いれずに押し込まれていった。 「……あ、あああっ！ やっ……、だめ、だめぇ……！」 背中にぞくぞくと甘い疼きが駆け抜けていき、頭が真っ白になる。俺は堪らず声をあげながら、かぶりを振った。朔ちゃんは容赦なくペニスで直腸を掻き分け、最奥まで挿入すると、俺を荒々しく抱きしめ、極まった吐息を耳元に吹きかけてきた。