「……っ、はぁ……馨……」 「や、やだ……あ、ぁっ……だめ、抜いて……」 そう頼んでいるのに、朔ちゃんはおもむろに腰を揺すり始める。酷い、最低。だけど、朔ちゃんのカタチや硬さ、ひょっとすると臭いまでもを覚え込んでいる俺のナカは、淡い刺激を受け、歓喜するように窄まった。 「……あ……はぅ……ん、ぅ……」 ぱちゅ、ぱちゅ、と肌と肌がぶつかる音と、ざばざばと温泉が波打つ音が重なる。それに加えて、結合部から響く肉を抉るような音と朔ちゃんの色っぽい声が聴覚を犯してくる。 それが堪らなく恥ずかしくて、心臓が破裂しそうなほどにドキドキする。 俺は朔ちゃんの腕の中で、うねうねと身体を捩った。 「嫌……あぁっ、ぁ……いや……ッ」 「嫌って言う割には、エロい声出まくりだけど？」 朔ちゃんは意地悪く言って、腰の動きを大きく激しくし始めた。スナップを利かせて、穿ってくる。前立腺を亀頭でごりごりと押され、俺のペニスはびゅくびゅくっと体液を吐く。 「あぁんっ！ だって、だってぇ……」 「お前のアナル、ぬるぬるうねうねして、すげぇ気持ちいいし……」 「やだ、やめて……っ、はずかし……！」 「ケツまんこの方がいい？」 「ばか！ ばかばかっ！ ……あぁっ、ゃ……ッ」 射精したばかりのペニスを、大きな手でやんわりと握られる。そのじっとりとした熱さに身を震わせていると、燻んだピンク色が剥き出しになった亀頭を指の腹で撫でられた。思わず背中がしなり、ナカで朔ちゃんの一物を締めつければ、ふふっ、と揶揄するような笑い声が聞こえてくる。 「ちんぽ触らなくてもイキまくるんだし、まんこでいいよな？」 「……ほんとバカ、変態……！」 子供じみた悪態しかつけない自分が、情けなかった。それ以上に、朔ちゃんに露骨な言葉で責められ、嫌で嫌でしょうがないはずなのに、火照りざわめいている己の肉体に、苛立ちを覚えてしまう。 いつも、そうなのだ。どんな時でも……たとえ、大喧嘩をした後やその最中でも、気分が乗らないと思った時でも、落ち込んでいる時でも、朔ちゃんとのセックスはすごく気持ちいい。 身体の奥まで暴かれ、果てを想像できぬほどに乱され、快楽の虜にさせられると、やがて心も開放的になっていく。自分でも信じられないほどの不埒なことを口走ってしまう。 両隣の部屋に泊まっている人たちに、もし俺たちの声や音が聞こえていたとすれば、大変申し訳ない。 このことが従業員さんの耳に入れられたら、どうしよう。 ……けれども、もう止められない。やめてほしくない。 もっと、もっと、気持ちよくなりたい。 朔ちゃんを、いっぱい感じたい……。