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17 冬式風紀委員長視点
好きな子のおしりの穴を舐められるかと聞かれたら、栄司を知らなかった頃のオレなら即答で拒否しただろう。
潔癖症ではないが、普通に考えて下半身全般と口との触れ合いは考えられない。
男女関係なく想像すると嫌悪感がある。
生ゴミとキスするのは常識的にありえない。
それと同じで無理だと感じていた。
今は余裕だ。
余裕すぎた。
気持ち悪いとか、汚いという感覚がない。
栄司が恥ずかしがるというよりもガチで嫌がるのでしないでいるが、舐めまわしたい。
指だけじゃなく舌も入れたい。
潔癖というよりもオレに対する気遣いなのか、栄司は最初は指を入れるのすらも嫌がった。
おしりにちんぽをインするのはOKで、オレが指でほぐしたり準備をするのはNG。
これはオレの指を汚してしまうからという価値観かららしい。
事前に処理していても気になるものは気になるという栄司の主張はわかるし、デリケートな部分なのであえて踏み込まないでいる。
行為が全面的にNGになる可能性があるので、オレもそこまで欲しがれない。
だが、副会長のおしりフリークを考えると何かされているのではないのかと不安に襲われたりもする。
オレだからこそおしりの穴へのちょっかいがダメで、性的な感じのない副会長なら許される可能性はゼロじゃない気がする。
このぐらいならいいだろうと栄司がやさしさから、自分のおしりを提供する光景が想像できる。
嫌がっても最終的に妥協しそうだ。
クズに対しての栄司のやさしさを見ていると「もしかして」と思わずにはいられない。
男だからおしりを撫でられるぐらいでうるさく言わない、そういう格好よさが栄司にはある。
恋人としてはやっぱりそういうのは嫌だ。
浮気者と言いたいというよりも自分を大切にしてほしいと力説したい。
オレが栄司のおしりでよだれを流すような人種だと理解せず、一緒にシャワーを浴びたがったり、薄着になったりする小悪魔だ。
会長の写真はオレのたかぶりを一瞬で鎮める役目も負っていたが、今後は部屋を片付けて、部屋に飾るのは栄司の自撮り写真に変わるらしい。
うれしいが喜びすぎてオレの下半身は常にギンギンの勃起状態を維持してしまう。
無数の栄司から見られながらオナニーとかたぶん最高に気持ちいいに決まっている。
変態性欲はとどまることを知らないがそれはそれで愛だ。
好きだからエッチなことしたい。
「あんま、り……お尻いじんないで、ほしい、です……んっ」
戸惑ったような栄司の言葉に延々と指でいじりまわしていたことに気がつく。
ついつい舐めたいとか、齧りつきたいとか、責め続けて泣かせたいとか、思っていると拡張しながら前立腺とすこし外れた場所を刺激してしまう。
栄司の腰が微妙に動いたり挿入してほしいとおねだりを見るのが楽しすぎる。
「えいじ、きもちいい?」
「…………はい」
うなずいてはくれるものの、間が気になる。
本心は違う気がしてしまうが、栄司のちんぽの反応からして、おしりは気持ちいいはずだ。
気持ちいいと口にするのが恥ずかしいんだろうか。
いつも考えるような間のあとにためらいながら小さな声で「気持ちいい」と口にする。
奥ゆかしさにそわそわと落ち着かない気分になる。
比較対象も経験もないから、どんな反応が正しいのか分からない、そういう感じが見て取れる。
思ったままを口にして、相手がどう感じるのか一瞬一瞬考えている。
オレの反応が栄司にとっては恐怖そのものなんだろう。
お互いに相手の反応に怯えてビクビクしたまま未挿入で終えた初夜を思い出しながら栄司のうなじにキスをした。
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