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【18】飽きもせず、繰り返す
それでも、知りたいのだ。
父と母に問いかけたいのだ。
そして自分自身への最後の答えにしたい。
最初からあきらめているくせに、往生際の悪い自分は飽きもせず、繰り返す。
貴方たちにとって俺は必要な子供なのか、と。
きっと答えは変わらない。
予想はきっと当たるだろう。
それが答えになるのなら諦めよう。
求める事が許される立場ではないのだから、もう二度と彼らに情を乞うのは止めよう。
そう己の価値を再確認するのだ。
僅かな希望さえ無くなれば、もう苦しまなくても良いのだ。
だから決定的な事実でもっていっそ、とどめを刺して欲しい。
言い訳ができない位の容赦のなさで、とどめを刺されたら愚かな自分でも諦めがつく。
それなのに。まだ正反対の回答を期待している自分がいる。
もしかしたら、錦の予想に反する答えが出てくるかもしれない。
もしかしたら、彼らによって今までの自己評価が覆されるかもしれない。
もしかしたら、嘘偽りのない真価を知ることができるかもしれない。
そんな風に幾つものIFを考えてしまう。
自分でもいい加減にしろと言いたくなるほどの能天気さだ。
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