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第21話
そんな俺の心配は杞憂に終わった。
放課後
俺は一人昇降口で誠を待っていた。
「ごめん、お待たせ。今日日直だったんだ」
「ん、大丈夫」
「じゃあどこ行こっか」
「いや、どこっていうか話したいことがあるだけで」
「話なら二人っきりの方がいいでしょ?遥斗の家うちの人いる?」
「いないけど...」
俺がそう答えると誠は俺の家の方向に歩き出した。
なんか流されてる気がするのは気の所為だろうか...
それから家に着くまでほとんど会話は無かった。
「遥斗の家って久しぶりかも」
「あ、うん。そうだね、今鍵開けるから」
俺はもっと来て欲しかったのに自分が唯川とばっか一緒にいたんだろ...
そんなことを心の中で思いながら、少し涙が出そうになった。
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