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第65話

「ほんとにそう?」 「な、なにが?」 「俺への気持ちは完全に終わった?冬馬に好意を寄せられて何も感じなかった?」 図星をつかれたようで反論の言葉が出てこなくなる 部屋がしんと静まり返る 「誠、急かしすぎ」 沈黙を破ったのは冬馬の声だった。 「冬馬はいつまでそうやってんの」 「俺は別に遥斗を苦しめてまで今すぐに返事が欲しいわけじゃねーよ。何年待ってると思ってんだ」 そう言ってそのまま部屋を出て帰ってしまった冬馬 部屋に残された誠と俺の間に気まずい空気が流れる。 「冬馬はああいってたけど俺ははっきりして欲しい」 「なんで…?」 「え?」 「なんでお前がそんなこと言うんだよ!どの口が、そんなこと…」 それでもなお俺に言わせようとする誠に腹が立って、感情が昂り涙が出てくる。 「俺が、どんな気持ちであの時、別れ話したか…わかんねぇのかよ」 「ごめん遥斗、よく分からないんだけど」 「俺より唯川の方が良かったんじゃなかったのか?だから俺より唯川と一緒にいて、俺の事なんか全く見ずに、二人でいろいろしてたんじゃないのか?」

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