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第69話
「遥斗、最近大和と仲いいんだって?」
「え、なにだめ?」
帰り道
急にムスッとした顔をして聞いてきた冬馬
「ダメじゃないけどずりぃ」
「何それ」
ずるい、と言った冬馬がすねた子供みたいでつい笑ってしまった。
「やっぱ俺も遥斗と同じくそのまま進学すればよかった」
「そもそもなんで別の高校行ったの?」
「遥斗と誠がイチャイチャしてんの近くで見るのしんどいだろ」
あ、そう…
冬馬がいたら俺たちの関係もまた違ったのかもしれない。
まぁたらればの話をしてもしょうがないけど…
「冬馬も同じ高校ならもっと楽しかっただろうな~」
つい心の声が出てしまっていたみたいで、気づいて冬馬の方を伺うと何かを考えるような素振りをしていた。
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