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第81話

「苦い…もう、冬馬なんか嫌いだ」 「はいはい、それだけ言えれば大丈夫だろ」 「っん?!…ふ、ぁ、ちょ、冬馬」 「口直し」 苦い苦いと唸っている俺にいきなりキスをしてきた。 「うつったらどうするんだよ」 「そしたら遥斗に看病してもらうから」 「やだよ、自業自得だろ」 しばらく二人で過ごしているといきなり冬馬が立ち上がった。 「俺一旦家帰るわ」 「あ、そう言えばそうだね」 言われてみると冬馬は俺が寝ている間もずっとそばに居てくれたのか制服のままだった。 「着替えも持ってくるから今日は泊まりで看病してやるよ」 「べ、別にいいよ」 俺の言葉を聞いたのか分からないまま家に帰って行った。

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