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第82話
それから着替えを持ってきた冬馬に夕飯を作ってもらったり、また薬を飲まされたりとだいぶ体調も回復してきた。
「あとで体拭いといてあげるから寝ていいぞ」
「やだ、入りたい。ベタベタする」
「それで熱上がったらどうすんだよ…ほら、早く寝ろ」
んん…
寝たくないのに眠くなってきた…
そう言えば風邪をひくのも久しぶりで、自分かこんなに弱ることもなかったからか誰かが近くにいるってことがすごく嬉しくて安心する。
相変わらず冬馬はずっと俺の頭を撫でてきて、俺はそのまますっと眠りについた。
「ん、んん…」
「あ、おはよう遥斗。まだ寝てていいぞ」
「あれ?冬馬制服」
「今日金曜だからまだ学校あるんだよ。お前はもう1日休め」
「あーうん」
「じゃ、行ってくるけど。無理にどっか行こうとするなよ」
「わかったわかった」
朝なんとか意識を保ったまま冬馬を送り出して、そのまま昨日の辛さもほとんどなく幸せな気持ちで二度寝をした。
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