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第87話
「んじゃ、午後からは俺だから」
お昼を食べ終わると13時になっていて、レストランから出ると冬馬がすぐ前で待っていた。
「じゃあ遥斗また後でね」
「あ、うん」
誠は朝の冬馬と同じように一人で人混みの中に消えていった。
冬馬は一人の時何してたんだろ…?
というか、一人でここって楽しめるのか?
なんだか答えが決まっているのにこうやってもらうのは申し訳なくなって急に頭が冷えてきた。
「どこ行きたい?」
一人で考え込んで勝手に気分を落ち込ませていると冬馬が顔を覗き込んできていた。
ぼーっとしていたのでいきなり現れたどアップの冬馬にびっくりして、うわっ…!と二三歩後ずさると冬馬は逆に俺の反応に驚いていた。
「何ぼーっとしてんだよ、もう疲れたのか?」
「つ、疲れてなんかねーよ!」
「じゃあどこ行くんだ?」
「えー…えっとあれ!あれ乗ろ!」
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