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第5話

それから遥斗と誠はどんどん仲良くなった 「みてみて!これ昨日誠と一緒に出かけた時に買ったんだー!可愛いだろ?」 「あ、あぁ…可愛いな」 いつの間に二人で出かけるような仲になったんだ? 遥斗はあまり仲良くない人に「あれ行こう」「これやろう」と言われるのが苦手だ。 俺の場合は小さい頃からの仲だからはいはいって付き合ってくれるけど… その点誠は遥斗の意見を尊重して… と言うより自分の意見はほとんど言わずに遥斗の思うように付き合っているから遥斗も楽しそうだ。 「今度俺の見たい映画一緒に見に行くことになったんだー!あれ一人で行くの恥ずかしかったから誠も見たいって言ってて良かった」 俺だって、誘われたら行くのに 誠 誠って… 腹の中は黒い物がグルグルとしていたが絶対に遥斗には言えない。 この先もずっと俺の気持ちは言えないだろう 「良かったじゃん、楽しんでこいよ~」 だから思ってもないことを口にして、いい幼なじみを演じてやる。 遥斗が楽しいなら俺にそれを邪魔する権利はないから…

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