118 / 124

第22話

高校には無事受かり、春からは遥斗と学校で会うことが無くなるのかと思うと少し寂しくなった。 あと数回しか着ない中学の制服に袖を通すと学校へ歩みを進めた。 中学と受験した高校は俺の家から正反対にあるので卒業後ここは滅多に通らなくなるだろう。 「はよ~冬馬!…うぅ、さみーなー」 昇降口で大和に会うとマフラーに顔をうずめ震えていた。 そのすぐ後ろには月菜もいてこっちも相変わらずみたいだ。 ちなみに二人とも内部進学するらしい。 学校はもう授業は無く、卒業式の練習やらレクリエーションやらでほとんど遊びに来ているようなものだ。 もう既に運動部では高等部に見学に行っているやつもいるらしい。 俺も月菜に誘われたけど進学しないので断った。 「あ、冬馬ー!今日高等部の学食食べに行けるらしいんだけど一緒に行かないか?」 無邪気にこっちに走ってくる遥斗には俺が外部受験したことを教えていない。 なにか特別な理由があるわけじゃないけど、なんとなく… 色々心残りはあるもののそんなこんなで俺の中学生活は終わった。

ともだちにシェアしよう!