122 / 124
第25話
とりあえず謝るために遥斗が帰ってくるのを家の前で待つ。
遥斗は部活も何もやっていないからすぐに帰ってくるだろう。
案の定待って何分もかからないうちに家に帰ってきた。
俺を視界に入れるやいなや怯えた表情に変わる。
それを見て自分のした事の後悔がドッと押し寄せるが、ここで怖気付いては関係が悪化するだけだと思い自分を鼓舞する。
「遥斗」
俺が呼ぶ声が聞こえているにもかかわらず無視して家に入ろうとする。
「おい、待てよ」
俺は遥斗の腕を掴んでどうにかして話をしようと家に入るのを阻止する。
「っ放せ!」
「昨日は悪かった」
「許すわけないだろ!なんで...あんなこと」
「頭がカッとなってついあんなことをしてしまった」
「ふざけんな!たいした理由もないのにっ...」
そこまで言って遥斗は泣き出してしまった。
その姿に心臓がヒヤリとしたが、ここで思いを伝えなくてどうする。
「理由ならある」
「っぅ...は?」
「お前のことずっと好きだったんだよ。誠なんかよりずっと前から」
そう
誠と出会うもっとずっと前…
ともだちにシェアしよう!