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あなたが好きだと言ってるじゃない〜結〜4

まだ下着はいてて良かった・・・。 悠貴さんはそんなボクの様子に、くすくすと笑い出す。 「全裸よりそっちのがエロいよ」 「ちがっ・・見ないで下さい!先にシャワー浴びてて下さい!」 「はいはい」 楽しそうに意地悪に笑うと、悠貴さんはカゴを置いて、さっきのドアの向こうへと行った。 ボクは様子を伺いつつ、服をカゴの中に入れた。 ゆっくりと廊下に上がる。 カゴを持って悠貴さんのいる所へと向かう。 ドアを開けると、洗濯機と乾燥機が目に入った。 左手にすりガラスの扉があり、シャワーの音が聞こえた。 ボクはカゴを床に置いて、下着を脱ぐと、恐る恐るガラス扉を開いた。 押すと開くタイプなので、悠貴さんに当たらないように注意する。 顔を覗(のぞ)かせると、悠貴さんがこっちを見た。 「・・・こっち見ないで下さい」 「わかった、わかった」 悠貴さんは面白そうに笑って、ボクに背中を向ける。 筋肉のついた逞(たくま)しい背中。 かっこいいと素直に思う。 ボクはゆっくりと中に入って、扉を閉めた。 シャワーの温かいお湯が顔に当たる。 湯気に曇った向こうに悠貴さんがいる。 壁も床もタイルじゃなく、白い壁だった。 人が二人くらい入れる湯船があり、ボクの家みたいに広いお風呂だった。 マンションのお風呂場って、もっと狭いんだと思っていた。 ボクは悠貴さんの広い背中に、そっと抱きついた。 ボクは背が低いので、頭がちょうど悠貴さんの背中の真ん中くらいだ。 悠貴さんの胸に回した手で、しっかりと抱きついた。 「薫?」 「まだ・・・信じられないです」 「何が?」 「悠貴さんが・・・ボクを、ボクなんかのこと好きになってくれたことが・・・」 声が震える。 まだ不安で、でも信じたくて、頭がぐちゃぐちゃになってる。 悠貴さんは、ボクの腕を掴んで引っ張ると、壁にボクの背中を押し付ける。 向き合う格好になり、ちょっと焦ってしまう。

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