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第7話

 次の日まだ晴れない俺の気持ちとは裏腹に真っ青な空に爽やかな風の気持ちいい朝だった。 「水沢ー」 学校に向かって歩く俺を見つけた藤崎が手を振りながら走ってくる。 「藤崎、昨日はごめん。」 追いついた藤崎と並んで歩きながら俺は謝った。 「そんなこといいよ。それより具合大丈夫なのか?」 藤崎が心配そうな表情する。 「あぁ、もう平気」 俺が笑うと藤崎もよかったと笑った。基本いいやつなんだよな藤崎って。 「五十嵐先輩も心配してたぞ」 思い出して不満そうな顔をしながら藤崎が言う。 五十嵐さんの名前を聞くと自分でも不思議なくらい気分が落ち込む。五十嵐さんは何も悪くないんだけど、どうしても兄さんを思い出してしまう。でも何で藤崎まで不満そうな顔をするんだ。 「イケメンがさぁ、心配そうな顔するだけでモテんのってずりぃよな!」 俺が不思議そうな顔をしたからなのか不満顔のままで藤崎が話す。 「ははっ」 あぁ……そういうこと。藤崎の不満顔に俺は笑った。 「笑い事じゃないぞ!」 俺に抗議の声をあげながら、イケメンずりぃとブツブツ呟く。 「杉崎以外は五十嵐先輩狙いなんだもんなぁ。昨日の合コンは失敗だな」 藤崎がはぁと大きな溜息をつく。 お前の失敗はそこだけじゃないだろ、年下が好きって女の子はそんなにはいないんじゃないのか。 でもあのイケメンならどっちでも関係なさそうだけどなと思い何も言わないことにした。 「杉崎?あぁ俺の正面に座ってた――」 「そうそう!江角のこと気に入ったみたい。寂しい?」 言いかける俺にうんうんと頷きながら藤崎がにやっと笑う。 「何で寂しがるんだよ」 俺が聞き返すと江角もイケメンっちゃイケメンだからなぁと答えにならない答えを藤崎は返した。 慎吾とは一緒にいても気を使わなくていいし、高校からだともう5年目の付き合いになる。一緒にいるのが当たり前みたいにはなっていても慎吾に彼女ができたとして一緒にいる時間が少し減るくらいのことだろう。 つまんなく思うことはあっても寂しくはならないな。今だって別に四六時中一緒なわけでもない。 「次回は体調ばっちりで頼むぜ!」 バシッと俺の背中を叩いて、じゃ俺こっちだからと藤崎が走っていった。 次も誘う気なのかよ……痛む背中と昨日の合コンを思い出してうんざりしながら溜息をついた。

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