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第8話

「翔、今日はもう終わり?」 講義が終わり、大きく伸びをしている俺に訊ねる慎吾にうんと頷く。 「バイトもないんだろ。俺んち来いよ」 頷いた俺を見て帰り支度をしながら慎吾が言った。 「何で?」 慎吾の家に行くのが嫌なわけじゃない。普段は用事がなくたって行くこともあるくらいだ。ただ昨日の話を聞かれるんじゃないかと少し不安になった。 「レポート手伝ってやる」 そんな俺の気持ちを察したかのように慎吾は小さく溜息をついた後、口元に笑みを浮かべた。 「慎吾ぉ!!お前いいやつな!!」 ガバッっと顔をあげた俺は慎吾の手を握り大きく何度も振った。 今回だけだからなと優しく笑う慎吾を見て普段からそんな顔してればもっとモテるだろうにと余計なお世話を考えいた。クールと言えば聞こえはいいが、普段の慎吾は無愛想なんだよな。 「ちょっと用事済ませてくるから中庭で待ってて」 そういう慎吾にわかったと言って俺は中庭向かって歩き出した。

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