14 / 83

第14話

 外に出ると空は夕闇と夕日が入り混じって赤紫色に染まっていた。 構内を歩く人もほとんどいない。  慎吾に連絡してみようか……きっと慎吾なら引き受けてくれる。 そう思ってはいても漠然とした不安は拭いきれず、もう少し俺の好きなこの夕暮れの下を歩こうと取り出したスマホをポケットの中にしまい込んだ。

ともだちにシェアしよう!