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第17話

 ふっと気が付いてゆっくり目を開けると、慎吾の背中が視界に入る。 「慎吾」 掠れる声とカーテンの隙間から差し込む太陽の光に朝になっていることを知る。 「起きたのか」 ベッドに背を預けていた慎吾が後ろに首を傾けて俺を見た。 「何時?」 ゆっくりと体を起こし、まだ少し痛む頭を押さえる俺に8時過ぎと慎吾が応えた。 「あ~俺今日バイトあるわ」 学校が休みの日曜日はシフトに入れてもらっていた。 「大分腫れはおさまってるな。翔、俺がいない時に思い出そうとすんなよ」 諭すような言い方に、何でと目で訴えた。 「人前で泣き喚きたいなら止めないけど?」 慎吾の言葉に耳まで熱くなった。 「――なっ!」 実際そうだったけど!泣き喚くって、もっと言い方ねぇのかよっ。 言葉に詰まった俺に慎吾が満足そうな笑みを浮かべていた。

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