6 / 17
第6話
『おーい。さっきからどうしたのかな?
話がないのなら失礼させてもらっていいかな?』
部長の声で ハッと我にかえった。
『……え?あ、え…ちょ…っ……
いっ、いやいやっ!話ありますっ!!
待ってくださいっっ!!!』
立ち去ろうとする部長を腕を慌てて掴む。
掴んだ ついでに、部長を 人目につかない
ちょっと窪んだスペースに引っ張りこんだ。
『おや。なんだい?こんな所へ……
愛の告白かい?』
部長の目が妖しく光る。
『………え?…………あ……/////////』
じっと見つめられ動けなくなる俺。
『……んー。キミ、かわいいね…♡』
見つめられながら頬を撫でられる…と
なぜか 膝から カクン…と 力が抜けた。
倒れそうになる。俺の腰を抱きつつ
壁に体を押しつけ、どんどん近づいてくる
部長の顔。
…………あ
これ……キ、キス……////
キス……され…ちゃう……////?
……………
ま、いいか………
完全に受け入れ体勢になった俺は
顔がちかづくにつれ、自然と目を閉じた。
目を閉じた途端、浮かんだのは────
梶の顔。
はっ!
いやいやいや!
なにやってんの、俺っっ!!
『ちょ、ちょっと…待って……!待ったぁぁ!!』
触れる寸前だった部長の唇 (い、色っぺぇ…////) を
手のひらで塞いで阻止した。
あ、あっぶねー/////!
危うくキスしちゃうトコだった……////!
──と、安心したのもつかの間、
妖しい微笑みを浮かべた部長が
俺の手のひらを舌先で ペロッと舐めてきて…
『───っ──///////!!』
ガクン…と
膝だけじゃなく全身から 力が抜けた俺……は
ヘナヘナと その場に座りこんでしまった。
『ふふ♡可愛い反応するね♡
今日、これから俺とデートする?』
『…っっ/////!!』
え?
デート??
俺が……部長と……デート………////
『はは。なんちゃって。
僕に話があるんだよね?聞くよ?話して?』
『………………………は………? はっ!
…あ、は、はい…っ!』
あ、あっぶねー……
あっぶねーっ、俺っっ////!!
んでもって
あっぶなっっ!!!
危ないって!この人 っっ!!
全然 その気なんてなかったのに
全然 好きでもないのに……!
ダメだ……
やっぱり、この人を 梶に近づけちゃダメだ…
ダメだ…!!
断固、阻止せねばっっ!!!
ともだちにシェアしよう!