あーあ。 なんか、終わりって呆気ないな……。 部長も梶にアタックするなら 一言、俺にいってくれりゃいいのに…… ってら言われたら傷つくけど…さ… でも…… ほんの少しでも俺のコト…… いいって思ってくれてた……なら 思い上がりかもしれないけど そう思ってくれてる気がしてたから なにか一言でもいいから 言ってほしかった……な……… でも……梶は いいヤツだ…… 部長と梶がちゃんと想いあって つきあうなら…… 俺は……… 勝手に部長に恋してただけの俺は…… ２人を応援しなきゃ………な。 あ。 俺………やっぱり部長に恋してたんだ…… そう思わないようにしてたけど 好きだったんだ……… 終わってから気づくなんて……… 本当のバカだ………… 『よ、よかったな……うまくやれよ…な。 　じゃあ、合コンはナシってコトで…… 　俺、帰るわ。』 『えー？帰んの？せっかく暴露したんだし 　もうちょっと話そうよー。』 『え……？…………あ……、でも………』 『いいじゃん！ 　どうせ合コンの話するつもりだったんだろ？ 　な？』 『え………あぁ………う、うん……』 あああ…… 地獄………っ！！ 『あのさ。部長ってさ、百戦錬磨のプレイボーイって 　噂あんの、知ってる？』 『あ……ああ、うん…知ってる…』 『あは。やっぱり？有名だもんなー。 　俺も何回か会って思ったけどさー、 　優しいし、遊び慣れてて 　軽く遊ぶにはいい相手かなーって。』 『………………え？軽く……遊ぶには…？』 『そう。俺さ、男もいけるけど部長は…… 　本命までの繋ぎ、だよ。』 『……………繋ぎ………』 『まあ、あっちも遊び人だし 　本気じゃないだろうし、お互い様だよー。』 『…………………………っ、………………………違……う……』 『…………え？』 『違う……よ………』 部長は…確かに…… 噂では プレイボーイで 百戦錬磨で…… 女でも男でも喰いまくってる、 なんて言われてるけど……… 違う。 そうじゃない。 部長は……本当は すごく誠実で 一途で 遊び人なんかじゃ……ない。 ずっと…… 考えないようにしてたけど 部長は……俺に 手は出さなかった。 何回も…何回も会ったのに、だ。 結局、俺は代わりで…… 代わりでしかないから…… 梶じゃないから……… だから…… 何にもされなかった……だけなのかもしれない… (キスは されたけど……) でも…… 部長は…… 軽く繋ぎで つきあおう、なんて そんな…… そんな…… 『そんな気持ちなら…………！ 　そんな気持ちで部長と……つきあうなっ！ 』 叶わない自分の想いと 叶うのに本当じゃない梶の思いに 感情が抑えきれなくなって……… 思わず そう叫んでいた。