『お兄様』だと名乗ったあいつは…… 「俺の兄貴だ」 離婚した夫・御木本の兄が三上…… 「お前の義理の兄になるな」 だから三上は『お兄様』だと…… (ほんとうに、お兄様だったんだ) 「どうだ？兄と弟、兄弟二人に抱かれた感想は？」 「お前っ、兄がいるなんて一言も」 「言わないさ。俺は兄が嫌いだ」 冷ややかな黒瞳のまま、キスを施される。 「だから寝とらせたんだ。お前を、兄貴に」 どうしてっ 「俺が嫌いだから」 「逆だ」 強くて、熱い。 鼓動の音が聞こえる。 真っ暗でなにも見えない。 胸の中に、顔をうずめている。抱きかかえられて…… 「お前を愛しているから」 黒瞳の奥、アイスブルーの火が灯る。 「お前は、俺のΩだ」 俺の子を産んでくれ