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三沢修司(みさわ しゅうじ)2-7

「手応えはあるんだ。でも、この後飴を与えるべきか、鞭を与えるべきか分からない。落ちる、と思った次の瞬間には、離れてるんだよね」 「三沢がそんなに手こずるの? 策を弄し過ぎてるんじゃないの。いつもみたいに、簡単に落とせばいいのに」 「特別な子だからね、ゆっくりと、深く落とさないと意味が無い」 「這い上がれないくらいに?」  小湊の言葉に、三沢は笑う。こいつは良く分かっている。だから好きなのだと思いながら、さぁ、次はどうしようかと、三沢は考えた。 「三沢が怖いのはさ、本当は人の気持ちなんてわからないサイコパスなのにさ、頭で人の気持ちを理解して処理しちゃう所なんだよね。本当、怖いよ」 「それ、酷いよね。そんなこと言われたら傷ついちゃう」 「ごめんごめん。でも、俺も同じようなところあるからさ。ただ、俺は全く他人に興味が無いし、三沢みたいに賢くないから、上手く人を操れない。尊敬するよ」 「そこ、尊敬しちゃ駄目でしょ」 「そう? でも、俺も三沢もそれで良いと思ってるから困るんだよね。俺も三沢も、他人に向けるべき色々な感情を、一人だけに向けちゃってる。これ、重すぎるよね」 「重いねぇ。その重みで、自分も相手も潰しちゃうかもね」  それに、困ったような顔で小湊は笑った。

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