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綿貫碧(わたぬき あおい)4-12

「俺は、クイーンは嫌だって言ったでしょ。何てお願いするの?」  そうだった。綿貫は思い出す。三沢の目には、淫靡な色と、悦びと、そして相変わらず仄暗い光がある。  あぁ、深い甘苦の沼に堕ちていく。もう戻れない。しかし、それでも良い。どうせ何を選択しても上手くは行かないのだ。この男に、三沢に堕ちて、破滅しても構わない。 「俺を、三沢さんのパピーにして……」  言った瞬間、凄まじい衝撃が中心を駆け抜け、脳に抜けていった。三沢の剛直がメリメリと肉壁をかき分けていくのが分かる。  三沢が綿貫のペニスのリングを取り外した。鈴口が押し広がり、一気に白濁が弾けた。 「あっ、あっ、あっ……」  短い呼気が口から漏れる。三沢の亀頭が肉壁をこじ開ける度に、さらなる快楽に半身が溶けていき、何度も何度も絶頂を迎えた。 「イキっぱなしだね。止まらない?」 「死んじゃう。死にそうなくらい、気持ち良い……ひっ」  侵入してきた肉棒が、今度は入り口まで引かれていく。亀頭のカリの部分が内部をガリガリと引っ掻いていき、その刺激は挿入よりもさらに強かった。 「気持ち良い、気持ち良い、あ、あっ……」 「俺も気持ちいよ」 「本当に? 俺、三沢さんを気持ち良く出来てる?」  三沢は額にキスをすると、耳元で囁いた。 「うん。男の子の中では、最高だよ」  快楽に溺れながら、三沢の言葉が胸に突き刺さった。男の中では? そういえば三沢は何人の男と寝たのか。女と比べれば、やはり劣るのか。  不安げに三沢の顔見ると、三沢は綿貫の顔を見て、口の端を上げて笑った。心から嬉しいと言ったような笑顔だ。この笑いは、いつか見た笑いだ。あぁ確か、三沢のマンションで自分がこの体を差し出すと言った時だ。  この笑いは何を意味するのか。綿貫は考えようとしたが、三沢のペニスが綿貫の快楽を刺激するたびに、どうでも良くなった。  三沢はただ突き上げるだけではなく、挿れる時も抜く時も、綿貫の気持ちの良い場所を刺激しながら動いている。確かに、こんなセックスされたら、離れられなくなろうだろう。 「卒業までは、俺、パピーだよね。三沢さん、一緒にいてくれるんだよね」  綿貫が言うと、三沢は答える代わりにキスをくれた。  何度も何度も突き上げられ、綿貫は射精をしないまま、何度もイッたが、三沢は中々絶頂を迎えなかった。 「そろそろイキそう。一緒にイッていい?」  ようやくだと思い、綿貫は頷く。今まで綿貫が寝た男達の倍以上はかかっているだろうと思った。          

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