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綿貫碧(わたぬき あおい)4-15
1階にあるもう一つのドアの向こうには、リビングとダイニングがあった。そこで食事をした後、二階の部屋に通される。二階にある部屋はごく普通の部屋だ。ベッドは大きいが、1階にある卑猥な部屋とは違う。
「この部屋は普通なんですね」
「あの部屋で寝るのは、落ち着かないでしょ」
「やるために、家建てたんですか。凄いヤリチン」
「寮じゃ落ち着かないからね」
「週末は、この家にいるの?」
「4月までは、週末は東京の家に帰ってたよ」
「じゃあ、この家、ほとんど使わないじゃないですか。勿体ない」
三沢は鞄から何かを取り出すと、ソファの前に置かれてるテーブルに並べた。
「そんなことないよ。東京の家ではやらないから、誰か連れ込む時はここに来るか、ホテルに行くからね」
「またいい加減な事言って。この間連れ込んでいたじゃないですか」
「あー、あの時はね。あおちゃんがいるのに、ここまで来れないでしょ。東京の家には、特別な子しかいれないの」
「はいはい。本当に、適当ですよね」
綿貫は三沢の言う事を真に受けるなと自分に言い聞かせながら、気にしていないように答えた。
「じゃあ、ピアス、つけようか」
「ピアス?」
「パピーになるんでしょ。パピーはその証拠として、このピアスを着けるんだよ」
綿貫は、テーブルの上に置かれたニードルを見て、痛そうで嫌だなと思ったが、どうせ断ることは出来ないのだろうと、頷いた。
「じゃあ、着ける前に決めようか」
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