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綿貫碧(わたぬき あおい)5-5

 綿貫が手伝うために隣に立ってそう言うと、三沢は綿貫の額にキスをしてきた。 「今度、裸エプロンしようね」 「ベタですね」 「ベタですよ。男ですから」  そう言って、三沢は野菜を洗い始めた。その姿を見ながら、まるで恋人同士のようだなと思って、少し胸が弾む。  三沢の作ってくれた料理を食べ終わると、風呂に入った。三沢は、セックスの前の風呂は別々に入るのが好きなようだ。セックスの時に初めて裸を見るのが燃えるというのだ。  良く分からないな、と思いながら、三沢が用意してくれているTシャツとショートパンツをはき、バスタオルで髪の毛を拭きながら部屋に入ると、入れ違いで三沢が風呂に入りに行った。綿貫は三沢が出てくるのをベッドの上で座って待ちながら、何回やってもこの時間は何をして良いのかわからないとソワソワした。  三沢が風呂から出てくると、ベッドに腰掛け、綿貫にキスをしてきた。これが合図だ。セックスが始まる。  恋人同士のような、じゃれる時間も無ければ、雰囲気もない。この、やるための部屋で、ただ動物のようにセックスだけをする。それが自分達の関係なので、仕方が無い。綿貫は自分にそう言い聞かせて、ベッドに横になった。  三沢が何度も啄むようにキスをしてくる。綿貫もそれを受け止め懸命に返した。最初こそ戸惑い、上手く返せなかったが、最近ではようやくそれに応えられるようになっていた。しかし、それでもすぐに息が上がり、それ以上が欲しくて堪らなくなってしまう。 動物なのは三沢ではなく、自分の方なのだ。甘い言葉も、心が躍るような美しい時間も自分になど似合わない。ただ、獣になって抱かれるのがお似合いだ。 「裸になって、お尻、こっちに向けて、またがって」 「はい」  綿貫は頷くと、服を脱いで裸になった。言われるがまま、三沢の上にまたがる。シックスナインは三沢お気に入りの体位の一つだ。三沢の既に膨張しているペニスをズボンから取り出し口に含むと、三沢のペニスがピクッと震えた  綿貫はねっとりと舐めながら、口いっぱいにペニスを頬張る。喉の奥まで咥えてやると苦しさで嘔吐しそうになるが、ぐっと堪えて頭を上下させた。  三沢に悦んで欲しい。三沢に、気持ち良くなって欲しい。綿貫は懸命に三沢に奉仕していたが、三沢が綿貫の体に触れてくるのに、我慢が出来なくなっていく。     

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