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綿貫碧(わたぬき あおい)5-7

 三沢は綿貫の唇に、触れるか触れないかまで顔を近づけてきた。綿貫はキスが欲しくて目を瞑るが、三沢はなかなかしてくれない。じれったくなり、自分から唇を近づけると、すっと顔を離されてしまった。 「三沢さん……」 「触って欲しいの?」  違う。キスが欲しい。そう思ったが、それを言っては気持ち悪いと思われるだろう。自分から言う事は出来なかった。  綿貫から離れた三沢が、卑猥な玩具をワゴンに乗せて持って来た。綿貫はそれを嫌悪して目をそらしたが、しかし、そんな心とは裏腹に、中心が熱くなっていくのを感じていた。 「まずは、すぐに漏らしちゃう、だらしないおちんちんから、躾けないとね」 「やっ……」 「はいはい。もう、こんなになってるよ。期待勃ち?」  三沢は笑うと、いつも通りにペニスにコックリングを着けてきた。射精管理は三沢が好む行為だ。いつも泣きながら哀願しないと、イカせてはくれない。 「それ……いやです」  三沢が手にローターを持つとニッコリと笑った。 「またまたぁ。好きでしょ」  そう言ってローターをそっと綿貫の乳首に当ててくる。 「ン……」 「今日は自分でほぐして」 「え……?」 「ほら、自分でやってみて」  三沢は粘性の低いローションを綿貫の後孔に塗りたくると、粘性の高いローションを綿貫のペニスに垂らした。  綿貫は涙で潤んだ目で三沢を見上げたが、三沢は動かない。あくまでも、綿貫が自身のてでほぐすのを待っているのだ。  綿貫は自分の後孔に指を手を伸ばす。自身の手でほぐすのは何回もしたことがある。しかし、今までのように事務的にほぐすことは出来ないであろう。三沢の目の前で快楽を貪るのは目に見えている。羞恥が綿貫の体を赤く染めていった。 「やらし。あおちゃんのお尻、丸見え」  三沢が綿貫のペニスの根元から亀頭に向けて、ローターをゆっくりと移動させてくる。それに身を固くしながら、後ろを懸命に探った。 「い……あっ」  片手で綿貫のペニスを支える三沢の大きな手に、綿貫は酷く興奮をしてくる。柔らかく屹立を上下しながら、宝物のように扱うその優しい所作は、ローターでの刺激よりもよほど綿貫を高ぶらせた。  大きく足を広げ、三沢に視姦をされながら懸命に後孔を(まさぐ)った。短い自分の指では刺激をするには全く足りず、(えぐ)れば抉るほど、さらに欲しくなっていった。  潤んだ目で三沢を見つめると、三沢は口の端を上げて笑った。そして、いたずらに耳の後ろや脇腹、横腹、を撫でていく。舌先で乳首を刺激をしてくるのに、思わず綿貫は射精をせずに絶頂を迎えた。 「あおちゃん、これだけの刺激でイッたの?」 「だって……三沢さんが胸、触るから」          

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