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綿貫碧(わたぬき あおい)7-9

 いつもは先にイクとお仕置きをするくせに、今日はやけに優しいなと思いながら、綿貫は開いている片方の手を三沢の背中に回し、三沢の肩に額を押しつけた。 「猫みたい」  うーと言いながら、額をグリグリとしていると、体の奥からどんどんと快楽が湧き出てくる。 「イク……三沢さん、イキます。ごめんなさい。イク!」 「可愛いなぁ。いいよ、イッて」  許可を得るのはいつもの癖だった。三沢から優しい声が聞こえたのに安心しながら喉を仰け反らせると、三沢が片手で背中を支え、仰け反った喉を強く吸い上げてきた。  激しく白濁がまき散り、三沢と綿貫の腹を汚した。 「久しぶりに出した? サラサラだよ。大分薄まってるけど、オナニーしなかったの?」  三沢が飛び散った精液をペロリと舐めると、にっこりと笑った。 「変な事、聞かないでください」 「しなかったの?」  三沢がじっと見てくるのに、有無も言わせぬ圧力を感じて頷いた。 「俺、もともと、あんま自分でしないし……」 「自分でしても、イケなかった?」」 「違います」  半分当たっていると思いながら綿貫は答えた。確かに綿貫は、元来、性に対しては無頓着であった。無頓着になってしまったとも言える。自分の意思を無視して与えらる行為に対して、どちらかというと嫌悪感をもっていたし、そもそも自分でするほど、堪る事もなかったからだ。  しかし、ここ数日間は、別の意味で自慰をしたいとは思わなかった。三沢に与えられた快楽に比べれば、己の手で与える快楽など些細な物であり、一人で行う行為は馬鹿らしくてする気にもならなかった。 「まぁ、どっちでもいいや。たとえあおちゃんの手でもさ、やっぱり俺のいないところで気持ち良くなってたら、何か嫌だもんね」  三沢はそう言うと、綿貫の肩を押して綿貫をベットに押し倒した。     

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