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綿貫碧(わたぬき あおい)8-6
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綿貫は、標本の蝶のように床に縫い付けられていた。床に固定された拘束具は、まるで綿貫の体にあつらえたように、綿貫の体型にあっている。
綿貫はうつ伏せの状態で、両手を広げる格好にされ、手首は床に打ち付けられている鉄輪に固定されている。足首と膝の下も床から出ている鉄輪で床に固定されており、膝は曲げられ、顔と胸は床に張り付き、尻は突き出された形になっていた。
痛くないようにマットレスが敷かれ、鉄輪の内側もスポンジがまかれているが、動けない体勢は辛い。
「今度は、何の遊びですか?」
綿貫が聞くと、三沢はにこっと笑って綿貫の目の前にローターを見せてきた。
「これ、好きでしょ」
「やだ……」
三沢は道具を使うのも、拘束するのも好きだ。しかし綿貫は特に好きなわけではないのだが、そんな心とは裏腹に、期待で体が脈打っていくのは分かった。我ながら、よく躾けられている。
三沢がローターのスイッチを入れると、ブブブという音が響いた。
「どこからがいい?」
綿貫の背中に三沢はそっとローターを付けた。振動が綿貫の背中に伝わってくる。肩甲骨のあたりを、触れるか触れないかの微妙なタッチで刺激されるのは、むず痒く、じれったい。
その振動は背骨を沿って、臀部に下りてくる。尻の割目にタラリとローションの感触がしたかと思うと、双丘を割られ、後孔にローターをゆっくりと入れられた。
「ひっ……や……」
振動が内部を苛《さいな》み、綿貫の体を肉欲が侵していく。連日犯され続けた体は、それでもまだ飢えているようであった。
「まだ余裕だよね」
ローターがもう一つ入れられた。二つのローターがガガッとぶつかる音を立てた。振動は二倍になり、さらに綿貫の体を苛む。堪らず、尻を振った。
「もっと欲しいの?」
「ちが……とって」
「もう一個あるよ」
「やだ、苦しい」
二つ入れられたせいで、前立腺の辺りでローターは震えている。ここ数日で何度も射精したペニスは、もう勃つ事は無いと思っていたのに、むくりと勃ち上がってきた。
「いや……みさわさ……とって」
「はいはい。じゃあ、もう一個入れるよ」
「ひぃ……あぁ」
綿貫は目を瞑って掌をぎゅっと握った。気持ちが良い。振動が与える刺激に、腰の力が抜けるが、崩れ落ちる事も出来ずに、ただ小刻みに震えて、快楽を逃がす事しか出来ない。
「ここも寂しそう」
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