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綿貫碧(わたぬき あおい)8-9
「何でダメなの? 大丈夫だよ。俺がいくらでもして上げる。普通なんて、俺にはわからないって言ってるよね。あおちゃんの体、傷つかないようにちゃんとするから大丈夫だよ」
「でも、三沢さん卒業したら留学するって……」
「馬鹿だなぁ。あおちゃんも一緒だよ」
「え?」
三沢が綿貫の口にボールギャグを着けたため、それ以上喋る事は出来なかった。
一緒に連れて行ってくれるのだろうか。またいつもの戯れ言か。いや違う。三沢は戯れ言など一度も言っていなかったのだと気がついたではないか。きっとこれは、三沢の本心だ。
綿貫は、嬉しいと素直に思った。未来など、もうどうでもいい。捨てられようが構わない。この男と一緒になら、沼底に埋まり生きて行くのでも構わない。
「ごめんね。俺だって、あおちゃんを人に見せるのは嫌なんだよ。でも、あおちゃんあんなに派手に逃げ出すんだもの。隠せないよ。本当に馬鹿なあおちゃん」
アルコールの臭いが立ちこめる。消毒が始まった。ペニスにひやりとした感触を感じると、大きく、ゆっくりと息を吐き出し、それを待った。
ペニスの先端が指で広げられると、硬い物が尿道に入れられたのが分かった。いつもよりも硬い気がする。三沢は器用に、綿貫のペニスの角度を変えながらそれを入れていくと、会陰を押して、それが前立腺の近くを通れるように導いた。
三沢も慣れた物だが、綿貫もある程度慣れていた。それどころか、尿道から前立腺を押される感覚は堪らなく気持ちが良い。そして今日入れられている器具は、いつも使っているカテーテルよりも前立腺を押してきた。思わず綿貫は、涎を垂らしながら、うめき声を上げた。
「若いね。いっぱい出したから勃たないかもしれないって心配したけど、腹まで勃ってるね。テープしなくても抜けなそう。今日はブジーのデビュー戦だよ。前立腺を押す形をしてるから、いつもよりも気持ち良いでしょ?」
前立腺を前からと後ろからと、両方から刺激をされている。後孔に入ったローターは容赦なく責め立ててきて、尿道のブジーは前立腺に触れてるだけなのに、凄まじい快楽を綿貫に与えた。
頭が狂う。よがり死んでしまう。綿貫は動かぬ体を小刻みに痙攣させながら、何度もドライオーガズムを迎えたが、それと同時に、せき止められた精液が出口を失い、濁流となって綿貫を苦しめもした。
「あ、誰か来たね」
三沢がそう言うと、今度は乳首のロータのスイッチを入れて毛布を綿貫の体にかけた。
「ぐっ……!」
その上、乳首の責めまで加わった。綿貫はうーうーと呻きながら、意識を混濁とさせた。
「何ここ、すげぇな」
「エロッ。三沢、お前変態過ぎんだろ」
「何、お前ら来たの初めて? 今度借りれば。高いけどな」
男達の声がする。朦朧とした意識の向こうで聞いた会話は、綿貫には、もうどうでも良かった。
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