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第5話
「ねぇ。焔。最近付き合いが悪くないですか?」
そう颯に言われたのはあれを見てから数ヶ月がたった頃…未だ颯はあいつとの関係は何も言ってこない…もう…限界だった…変わらず側にいることは苦痛だった…だから少しずつ距離をおいていたのだ。我慢の限界に達していた俺は颯に言葉を投げた
「…そりゃそうだろ。お前あいつ…教師と付き合ってんだろ?俺の出る幕はねぇし邪魔したくもないよ」
「…知ってたのですか?」
「見たよ。たまたまな。あいつといて遅くなるんなら前以て連絡しろよ。デートだから先に帰っておけとかまぁ言わなかったとしても予定あるから先に帰れとかさ。俺の時間だってあるんだ。俺はお前の付き人でもなんでもないんだからさ」
「そうですか…わかりました。」
「あいつに帰りは送ってもらうんだな。お前まだ狙われること多いんだから。一人では帰るな。じゃあな」
「えぇ。ではまた明日」
それからも颯の交際は順調だったのだろう。
何の問題もなく過ごしていたようだから。
中学に上がってからあいつは陰湿ないじめを受けることもなくむしろ尊敬される立場へと変わっていた。
これまでいじめていた奴等の対処もうまくいくようになったから俺の足はあいつの元から遠退いた
朝は流石に颯の両親に言われ一緒に登校はしていたのだが会話はほとんどない。
「わざわざ朝迎えに来ることもないのに…」
「おじさんとおばさんに頼まれているからな。お前は狙われやすいんだから学校以外では気を付けるに越したことはねぇ。万が一誰かに襲われでもしたらお前が大好きなあいつも傷付くだろ?」
「ありがとうございます。焔。あなたは優しいですね」
「まぁ。なんだかんだ幼馴染みだしな」
そして颯の交際を知り一年ほどたっただろうか。教師の転勤が決まりそれと同時に交際は終わりを迎えた
「焔…」
「何だよ。お前から連絡寄越すなんて初めてじゃねぇか?」
「…っ」
「颯?泣いてるの?…」
「…ぐすっ…うっ…焔…」
「お前今何処だよ」
「家にいる…」
「今から行く。おじさんたちは?」
「まだ…」
「なら開けておいてくれ。勝手に入るから。」
家は隣。たった数秒の距離だ。
「わかっ…た…」
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