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第6話

「颯。」 玄関を開けると颯は玄関の床に小さくなって膝を抱いていた 「颯」 「ほ…むらっ…っ」 「何?何があったの?」 「…わかっ…れたっ…」 「は?何で?」 「もう…会えないからって…僕のこと…遊びだったって…」 「…」 いや…そんなはずはない。あいつの優しい嘘だろう。とことん悪者になって颯を先に進ませるための… 「夏に結婚…するんだって…ずっと…付き合ってた人と…」 いつもの凛とした話し方はすっかり影を潜め小さな子供のように泣きじゃくりながら話す姿は見ていてこっちも苦しくなるほどだった。 結婚?どういうこと?本当に遊び?わからない… そのまま泣き疲れ眠った颯をベッドに移動させて毛布をかける。そっとさらさらの髪を鋤いて部屋を後にした その足で教師の家へ向かってみた。実は以前たまたま見つけたのだ。 隠すでもなくいつもの気のいい笑顔で部屋に招き入れてくれたことがあるのだ。

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