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第27話
それからなんとか女たちから逃れた。ここまで来る間も沢山の人に声をかけられてしまった。本当に…面倒だ…
「お前やっぱ目立つのな。背高いし顔良いしめっちゃお洒落じゃん!どこのやつ?」
いやいや。俺じゃなくお前が目立つんだよ…何でサングラスかマスクくらいしてこねぇの?
そんなこと思いながら口を開く
「颯の母親の手作り」
「えっ!!??すげー!これ!もう本格的なブランドものかと。ほら。△△ってあるでしょ?そこのかと思った」
「あぁ。結婚前はそこのデザイナーだったらしいよ」
「通りで…すげーなー…もう本物じゃん!」
「俺の私服は颯の母親の手作りが殆どだよ」
「すげー…お近づきなりてぇ」
「あぁ。お前デザイナー志望だったんだっけ?」
「そうそう。今はいろんな服がみれるからこの仕事してるけど将来的にはそっちに進みたい」
「今度話してみるよ」
「ありがとう!」
滋野が太陽みたいな明るい笑顔を向ける。こいつはすげー顔がいいとかはない。もちろんスタイルはいいし何着ても映えるのだが。でも今解る。お日様みたいなこの空気が人気の秘密なのだろうってこと
「取り敢えず昼食べた?」
「いや。」
「んじゃ飯いこ!腹が減っては何とやらだし」
「うん」
着いていった先はポップな感じの女子向けしそうな店だった
「ちょ…お前ここ…」
「こんなとこ入ったことないでしょ?何事も経験だって!!」
腕を引かれて中に入る。昼時だからか人が多い
「いらっしゃいませ!お二人です…ちっ…お前かよ。紫音」
「こらこらぁ!俺はお客さん!」
対応してくれたのは多分…女?ん?可愛らしい感じの人。知り合い?
「満留!こいつアキラ!男だよ?」
「男!?」
「俺の好きな人」
「は?お前頭沸いてんの?自分が何言ってるのかわかってる?」
「だって事実じゃん!!」
アキラも満更でもなさそう…いいなぁ…
「ほらぁ!!お前が変なこというからお友達固まってるでしょ!もーイケメンが台無しになってるよ!お兄さん!大丈夫?」
「あぁ。大丈夫だ。お似合いだなって思ってみていた。気を悪くしたならすまない」
「…紫音…この人」
「ふふ…面白いでしょ。何にする?…焔!」
いきなり呼び捨てかよ。別に構わないが…
「焔っていうの?カッコいい!熱い男っぽい!燃えたぎる何かがありそう!!」
「…急に饒舌だな…」
「あ!ごめん!!」
「いや。おすすめは?」
「ん~…甘いのは大丈夫な人?…あー…でも昼食だよね?だったらこっちかな」
「じゃあそれで」
「かしこまりました!お前は?」
「いつもの奴」
「はいはい。あちらでお渡しします!お待ちください」
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