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第31話
今日出会ったばかりのアキラ。
少しだけ年上だからか人生経験が豊富なのか…わからないけど見透かすような瞳。先の先まで考えられる心を持っていて何故か何でも話したくなってしまう。
その後も颯のこと沢山聞いてもらった
2人に颯への気持ちを告げて思いの丈をぶつけて少しだけ軽くなった気がした。両親は俺の思いを知っているけれど学生時代は友人と過ごす時間の方が何倍も長い。一緒に過ごす時間が長いんだから一人で抱えているより知ってくれているということは心強かった。
「一人で頑張ってきたね。苦しくなったらまたいつでも話して。俺でもいいし紫音でもいいからさ。っと…俺はそろそろバイトにいかなきゃ…連絡先交換しておこう。いいよね?紫音」
「構わねぇよ」
2人と連絡先を交換してアキラを見送った。
「よっし!気を取り直して!ゲーセンでも行くか」
滋野が明るく言って立ち上がる。ゲーセンなんて行ったことはないが取り敢えず着いていく。
「何する?」
「何があるかわかんないからお前が決めて」
「え?」
「初めて来たから」
そういうとかなり驚いた顔をしてた。やり方もわかんないから色々教えてもらって思いの外楽しかった。
少し浮上した気持ちで外へ出るともうやがて日も暮れる頃だった。
「お前本当に初めてだったの?」
「そうだが」
「初めてであんなできるなんてずるい!!」
「知らねぇよ。お前が下手なんだろ?」
「普通です」
「そ。」
「ねぇ!!君」
急に女性の声がした。また滋野のファンなのだろう。
「お前相変わらず…」
滋野に文句を言おうとしたら俺の腕が引かれた
「は?」
突然のことで驚いて振り返る。
「あんた…」
目の前にいたのは見覚えのある女…あいつの…颯の元カレの嫁だ…
「洸哉の生徒さんだった子だよね!少し…話せないかな?」
「…」
女の必死な顔に思わず頷いてしまった。何を今さら言うことがあるのだ…
「滋野。悪い…ここで」
心配そうにしている滋野には悪いがこの女との関係性は話せない
「あぁ。じゃあな。また連絡する」
「今日はありがとう」
「こちらこそ」
察してくれたのか滋野はそれ以上何も言わず直ぐに立ち去っていった
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