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第34話
洸哉side
彼を初めてみたときは息を飲んだ。あんなに綺麗な子に出会ったことはなかったから。
でもそのときは後に彼を想い恋人として側に居てくれるときが来るなんて想像もしてなかった。
…彼と教師と生徒として共に過ごしていく中で彼の凛とした強さに惹かれていくなんて…
告白してくれたのは颯くんの方だった。まさか彼が男である俺にそんな感情をぶつけてくれるなんて思っても見なくて…
でも俺は臆病者だからその手をその場では取れなかった。
数ヵ月前まではまだランドセルを背負っていた子供。俺は教育者…
どんなに焦がれても世間的には認められない関係…でも…いつもどんなときも隣にいる焔くんのことが気掛かりだった。
2人の仲の良さを側で見ていると心がざわついた…嫌だ…颯くんを捕られたくない…子供みたいな嫉妬…居ても立ってもいられなくなった俺は彼を呼び出し想いを告げた。
彼は本当に嬉しそうに微笑みキラキラと宝石みたいな涙を溢した
「先生…嬉しいです!」
初めて見るそんな表情に胸打たれダメだとわかっていたのにその場で唇を奪った。
まだ幼く柔らかい唇…甘くてふわふわで何度も何度も味わった。
「ん、センセ…」
「ごめん…俺…大人なのに…我慢できなくて…余裕もなくて…」
「とても気持ちいいです…先生のキス…もっと…もっとしてくれませんか?」
年齢には到底見えない大人びた表情と仕草…ダメだとわかってるのに欲望に負け彼の唇を再び貪る。
それでも足りなくて歯列をなぞった。
彼はゆっくりとその扉を明けちろりと俺の舌を小さなそれで撫でる
「んっ…ふ…」
繰り返す大人のキスに小さな彼は酔いしれてキュッと抱きついてきた
唇を離すと彼は名残惜しそうに俺を見つめ
「先生…俺を先生のものにして?エッチしよ?」
どこでそんな言葉を覚えたの?壮絶な色気をまとい俺を誘う
「俺…ずっと先生と繋がりたいって思っていたんです…だから…早く…あなたのものに…」
「…ここではダメだよ…三葉くん…誰か来るかもしれない…君を見られたくない…」
「じゃあ…先生の家につれてって?」
この子はどこまで大胆で積極的なんだろう…本当にこの年なのか疑うほどだ。かといって精一杯背伸びしているわけでもないし…
「…わかった…また今度…ね?」
「今度?どうして?」
「満留くんが待ってるよ」
「あ。」
「いつも一緒でしょ?急に君がいなかったら心配しない?」
「する…焔は過保護だから」
「ふふ…じゃあ…」
「今度のお休みの日は?ダメですか?」
「…わかった…駅前に迎えに行くね」
連絡先を交換して別れた。
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