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第35話

洸哉side 約束の日に颯くんと初めての時を迎えた。柄にもなくとても緊張したのを覚えてる。 痛くはしたくない。初めてを苦い思い出にはしたくない。 俺自身が自分でいいながら吐きそうになるくらい甘い甘い台詞を颯くんに囁きながら彼の中をゆっくりとゆっくりと溶かしていって…とてもとても時間はかかったけれどそれはとてつもなく幸せな時間… 俺は初めてな訳じゃない…何人もの女の子を抱いてきた。それなのに俺自身も初めてなんじゃないかって思うくらい心臓が飛び出そうなほど胸は鳴って…俺を全て颯くんの中に埋められたときはそれだけで達しそうなくらい満足感を感じて… 「センセ…嬉しい…すごく…嬉しい…」 涙目で微笑みながら俺の頬に触れる俺よりも少し低い体温の柔らかい掌。 「センセ…?泣いてるの?」 「幸せすぎて…泣けちゃった…恥ずかしいね…大人なのに。本当に…好きすぎて…俺…余裕ない…」 人って幸せでも涙が出ること初めて知った 「センセ…大好き…」 「颯くん…俺も君が大好き…」 颯くんには初めてを沢山教えてもらったよ… その後も順調に静かに誰にも秘密の関係は続いていった 家にいるときだけでは足りなくて学校でも快楽を求め強請りにくる幼い愛しい人。それを求め俺もまた溺れていった。 誰かに見られてしまうのではないかと言うスリルも俺たちの欲望を助長していたように思う。まさかそれを満留くんに見られているなんて知りもせず快楽に身を委ねていた 「洸哉」 兄…克哉に呼び出されたある日のこと 「お前好きな人でもできた?」 「…」 隠していたはずなのに兄にはお見通しだったようだ。この世に生まれる前…母親の腹の中から一緒の血の繋がった相手なんだから当然だろう。 相手を知れば真面目な兄は反対するだろうと思ったがやはり誰かに惚気話はしたい。誰にも言えなかった話を兄に告げると絶句した。 「おま…何の…冗談だ…」 「冗談ではない…」 「…だよな…お前は冗談を言うようなやつではないもんな…えと…あの…うん…待て…えっと…」 「俺本気だよ?初めてなんだ!こんなに好きになったの!」 「それは俺も知ってるけどさ…でもさ…」 「おまたせ。あれ?克哉。面白い顔してるけどどうしたの?」 「えみり」 「遅れてごめんね?」 兄の婚約者であり幼馴染みのえみり。昔から綺麗で優しくてみんなの人気者だった。でもえみりはよそ見もせずただ一途に兄だけを想っていた 彼らの想いが通じたとき自分のことのように嬉しかった。 えみりにも颯のことを話すと仲良く兄と同じ反応だった 「いやでもさ…」 「でもさ…かっちゃん。洸哉が初めて好きになった人よ?悪い子なはずないじゃない」 「それは当然だろうけどでも世間的には…な?頼むからニュースにはなるなよ?」 「わかってる。颯くんの将来だってある。へまはしない。だって自分の命よりも大切な人だから」 兄とえみりは複雑そうだったけど応援してくれてその後は惚気話も聞いてくれるようになった。

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