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第41話
翌日から闘病生活が始まった
でも俺にはもう生きる気力なんてなかった…どうせ死ぬんだ。高い金かけてまでこの命を繋ぐ価値は俺にはないだろう
入院してすぐ体力は落ち始めて何も出来なくなって…
…………
「洸哉は…余命を待たず…亡くなったわ…」
「そんな…」
「ごめんなさい。あの時本当の事を伝えていれば…違う最期だったのかもしれない…でも…颯くんにはどうしても…知られたくなかったみたいなの…でも…そんなの…浮かばれないじゃない…あんなに…愛していたのに…それなのに…」
「…そうだったんですね…」
あの言葉に偽りはなかった…それで颯は救われる?
「颯は…今も元気にしてます…あの頃は見ているこっちが苦しくなるほど…沈んでた…でも颯は前を向き今新たに好きな人もできました…安心してください」
「貴方ではないの?」
「えぇ。颯にとって俺はただの幼馴染み以上になることはありませんから…先生が俺にしか託せない…そういってくれたみたいだけど…俺にその権利はありません。選び、生きていくのは颯自身ですから。ただ。どんな形でも見守っていくことは約束します。先生にご挨拶にいきたいのですがどこに…眠っていますか?」
明日にでも墓参りにいこう…颯を愛してくれてありがとうって伝えにいこう…
「…あの」
「…ごめんね。お友だちと一緒だったのに…」
「いえ…」
「えみり」
そこへ男がやって来て息を飲んだ…
「あんたは…」
「…七雲 克哉です。洸哉の…双子の兄」
なるほど全く同じ顔だ。背格好は勿論醸し出してる雰囲気まで
「彼が…颯くん?」
「違うわ。洸哉が颯くんを託したかった焔くん…洸哉はおそらく颯くんには真実は知られたくないと思うの…でも知って欲しくて…見掛けた彼に声をかけたの」
「…ごめんね。…あのときは…酷い言葉を投げ掛けてしまったんだろ?」
「いえ…事実はわかりましたから…颯には伝えない方がいいですか?」
「洸哉が愛していたことに偽りは1つもなかった…良ければ伝えてくれるかい?わかったところでもう…洸哉はいないけど…俺にとって唯一の肉親。あいつが悪いやつのままは耐えられない…洸哉の事を思ってこれまで颯くんを探せなかったし言えなかったけど…三年たったんだ…洸哉には怒られてしまうかもしれないけれど…でも…颯くんに伝えたことで颯くんの心が乱されてしまったりおかしな方向に行ってしまいそうなら伝えなくてもいいよって…矛盾してるかな?…君に委ねてもいいかい?」
「はい。わかりました。あの…お幸せに…先生の分まで…幸せに過ごしてください。いつかあなたたちの元に先生が戻ってきますように…妊娠中…でしょ?きっと…先生が生まれ変わったんだって俺は信じたいです。じゃあ…行きますね。ありがとうございました」
そう言うと彼らは涙ぐみ少しだけ膨らんだお腹を2人で撫でて俺を見送ってくれた。念のため連絡先を交換して背を向けた
今颯は雪割の事を思っているけれど怖くて踏み出せないでいる。先生の時みたいに酷い捨てられ方をしてしまったらと…きっと恐れてるんだ…
先生の事を伝えたら颯は進めるのかもしれない…このまま颯のとこに言って伝えよう…
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