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第49話

昼休み 中と共にやって来た奴。雪割の顔見知りのようだった 「君は…入学式の日転んでた…」 「はい!坂本 幸三郎です」 「こっ…こうざぶろう!?えー!!」 「似合わないでしょ?」 …顔は女の子より可愛くて小柄で …えぇ?似合わねぇ…恐らく誰もがそう思ったことだろう。 「周りからは名字か、ゆきちゃんて呼ばれてます」 うん…まだそっちのほうがしっくりくる 「ゆきちゃんはあたるんのお友だち?」 「いえ。僕は中の婚約者です」 は?婚約者? 「幸。それは子供の頃の口約束なだけで違うでしょ?」 「違わないでしょ?両親公認じゃん。高校卒業したら入籍するんだし」 どういうことだ?おそらく中はそんないい加減な奴ではない。それは毎日のように様子を見てきて感じていた。雪割の言葉一つ一つが少しずつ強ばっていく… 「へぇ。羨ましい!こんな可愛い婚約者いるなんて」 「雪輪先輩!違います!!俺は…先輩のことが」 それに中は必死で否定するが男は続ける 「だめ!!中は僕の婚約者。誰にも渡さない!」 「こう!いい加減にして…」 「いやだ!結婚前に他の人と遊びたかったんでしょ?その気持ちわからない訳じゃないから自由にさせてたけどもうだめ。だってどうせ相手にされてないでしょ?雪輪先輩は水無月先輩と付き合ってるの!そうでしょ?中をこれ以上からかわないで!!中で遊ばないで!!」 水無月の名前が出た瞬間雪割から表情が消えた。

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