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第51話

「水無月と雪割…いいね。妄想しちゃう!」 いつもおちゃらけてる滋野が放つとみな緊張を解き笑う。その笑顔はどこかぎこちなかったけれどそれは二人の仲を嫌悪したものではない。 「坂本くんのいってたことどういうことかな?」 「あたるんはそんないい加減な奴じゃない。あたるんは雪割のこと真剣だった。側にいられることが幸せだって体全身、表情全て物語ってた」 「雪割も水無月もあたるんも…大丈夫かな?水無月すげー傷付いた表情してたな…あいつら人が良いから…心配だ」 そう。みんなが思うのは彼らのこと。彼らのあの仲の良い空気感が皆好きだ。 それは俺も颯も同じ気持ちだ。 「大丈夫ですよ。雪割はちゃんと見極める目を持ってる。きっとすっきりと解決して戻ってきます。待ちましょう」 颯が言うと皆頷きやっとぎこちなさが消えた 「だよな!大丈夫だな」 でも雪割の傷は思ったよりもとても深いものになっていることに俺たちは気付きもしなかった。 そして翌日から変わっていくことも

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