「ほーくんははーくんに幸せになって欲しいんでしょ？」 「そうだよ」 「だったらやっぱりこのままじゃダメ」 「は？」 「ねぇ。ほーくん。はーくんが幸せになるのってどういうときだと思う？」 「そりゃ共に生きる伴侶を見つけて生きていくことだろ」 「うん。それもそうだろうね。でもねほーくんも幸せにならないとはーくんは幸せじゃないよ。はーくんはほーくんの幸せも必要だって思ってるはずだよ」 「…雛菊…勝手なこと言ってんなよ。お前らは…うまくいったからいい。でもな、みんながそううまくいくわけじゃねぇんだよ。颯の幸せは颯のものだ。俺はそこには必要ない。颯は俺のことはただの幼馴染み程度の感情しか持つことはない。だから…」 「それでも！ほーくんだけ我慢するなんてダメだよ」 「俺からしてみれば颯へ思いを伝えることで今の関係がなくなることの方が嫌だ…だったらいくらでも耐える。余計なことするな」 「でも！！」 「…よも。落ち着け」 言い争いになりそうだった俺たちを落ち着いた声で弥生先輩が静止する 「焔はそう決めたんだよね？」 「はい」 「そっか。…苦しくなったらいつでも話においで。」 「弥生ちゃん！！」 「よも。焔は決意をしたの。誰も他人の感情を操作することはできない。焔が決めたんだ。俺たちが出る幕はない。よも。焔を追い詰めているのわからない？」 弥生先輩に言われ俺のことをじっと涙目になりながら見つめる雛菊。 「だめなの？…どうしても…だめなの？」 「あぁ。心配かけてすまない。でも幼い頃から決めているんだ。これは変わらないから。気にかけてくれてありがとう。大きな声を出してすまなかった」 「ほーくん…ほーくん…」 「何でお前が泣くんだよ。大丈夫だよ。だから泣かないで？」 「ほーくん…こんなにカッコいいのに」 「それって今関係ある？」 「よもぉ！！妬けちゃうから真実でも俺の前で言わないでよぉ！！」 「弥生ちゃんはカッコいいより綺麗だから」 「あう…俺もカッコいいって言われたい」 「…その口調やめればいいんじゃないすか？普通にしゃべってみたら？」 「よも…愛してるよ」 「はぅ…カッコいい」 「ほら」 「たまにやってみる！！」 「そうしてください」 そのあとは俺のことを気遣ってなのか他愛もない話をして二人は帰っていった 雛菊の言った言葉が何度も響いてくる。 『でもねほーくんも幸せにならないとはーくんは幸せじゃないよ。はーくんはほーくんの幸せも必要だって思ってるはずだよ…』 そんなの何度も颯に聞いてきてる。 『焔が幸せになってくれると俺も嬉しいです。だからそろそろ恋人でも作ったらどうです？あなたの子を抱くのは俺の夢なんですよ。そして我が子と焔の子供を一緒に遊ばせて焔と俺みたいな関係にしたい』 「くそ…颯…好きだよ…」